『24―CTU機密解除記録 ヘルゲート作戦〈上〉』『24―CTU機密解除記録 ヘルゲート作戦〈下〉』を読んだ。

ドラマのシーズンⅠ〜Ⅳより前、創設初期のCTUの話。そのためあの人がまだ生きていたり裏切り者のあの人がてきぱきと仕事をこなしていたりしている。
小説でもジャック活躍。今作は特にジャック活躍しすぎ。ほぼ一人で何百万人もの命を救っている。
小説でも『24』のスピーディーでスリリングな展開は失われていない。『24』独特の「あとちょっとでうまくいくのに邪魔されてうまくいかない」感じがよく出ている。
小説は小説で面白いけどどうしてもドラマと比べてしまう。ドラマと比べるとやっぱりドラマのほうがいい。
小説では1時間が20ページ程度。短いときは10ページくらい。2冊で24時間はかなり無理があるような気がする。だからあっという間に時間が過ぎる。「45分歩いた」の一言ですまされたりもする。
そして一画面を複数にわけて同時にいろいろな場所の状況を示す手法や、一つの場面でも片方の視点ともう片方の視点を切り替える手法が使えないので片側の目線でしか見ることができない。
まあこれらは小説では仕方のない部分だが。一話本当に一時間くらい読まないと進まないのでは膨大なページ数になってしまう。小説版がドラマ版よりもいいところは犯人側の心理や思考がわかるところ。文章として明確に書かれている。
小説は小説として楽しめば十分面白い。ただ残念なのが誤植が上下巻共に数箇所あるところ。せっかく次へ次へと読んでいるのに誤植を目にして止まってしまう。漢字の送り仮名とかそういう問題ではなく明らかにおかしい部分があり一瞬読めずに止まる。また漢字では「大義」と「大儀」が混ざっている。テロリストが「大義」について話している場面なのに・・・
そこらへんはともかく小説として読めば面白い。

24―CTU機密解除記録 ヘルゲート作戦〈上〉 (英知文庫)

24―CTU機密解除記録 ヘルゲート作戦〈上〉 (英知文庫)

24―CTU機密解除記録 ヘルゲート作戦〈下〉 (英知文庫)

24―CTU機密解除記録 ヘルゲート作戦〈下〉 (英知文庫)