『夜のピクニック』を読んだ

まだ2回しか行われていないが、本屋大賞受賞作にハズレはないと思う。賞の設立目的からしてまずハズレは出ないはずだ。来年の第3回も絶対にハズレはないと思う。
高校生活の一大イベント、高校の頃のなんともいえない人間関係、懐かしさ、達成感と、高校生活を送った全ての人が共感できる要素がぎっしりと詰まっている。はっきりいえば鉄板。
ただ、それらの設定を使ってありきたりの青春小説にしないところがよくできている。場面展開で両主人公の気持ちがわかり、それがだんだんと変化、近づいていくところが感じられる。他の人物も魅力的に描かれていて、いろいろな人間関係が絡み合いうまみがたくさんある。
中盤から後半にかけて段々と物語が加速していき、読むのを中断できない。ムダな部分や中だるみがほとんどなく、終わりに近づくにつれどんどん温かくなって来る。読み終わった時に顔がほころぶ小説だった。


夜のピクニック

夜のピクニック