一文が長かったり、説明のような箇所が多くあって最初の印象は「くどいな」だった。評論文のような感じもして読みづらいとも思った。でも後半からはその印象がガラッと変わる。
後半は前半のそういう部分を持ちつつもいい意味での軽さが出てくる。そして題名の説明が出てくるところで最初からの話が一気にまとまってくる。ここの部分が非常に重要ではないかと感じた。
ただ、万人受けする感じではないなと思った。「芥川賞作家のデビュー作」というのが直接の購入理由だったが、一作ではなんともいえないと感じる。でも作品全体の崩れはなくまとまりはいい。なによりもパワーを感じる。他の作品も読んでみようと思う。
- 作者: 阿部和重
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/01/17
- メディア: 文庫
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