道のアリさんをいつまで

子どもと歩いていると、急にしゃがみこむことがある。そして出てくる言葉が「アリさん」。子どもの目線、考えでは路上のアリがしっかりと把握されているのね。大人となった自分が普段一人で歩いている時には全く気にしないことを、この子はしっかりと見ている。


だから子どもと歩いていると、今の自分にはない、なくなってしまったいろいろなことに気付かせてもらえる。アリに加えて最近は綿毛になったたんぽぽにも注目していて、こんなところにもたんぽぽが咲いているのねと気付かせてくれる。こういうの、楽しいなあ。自分が知らないことがわかるのは楽しいという良い一例だと思う。


楽しいなあと思う反面、子どもが道のアリさんを気にしなくなった時が少し怖いというかさみしくも思える。子どもたちはもうアリさんに気付くことはなくなり、そして自分もまた自分の目線の世界しか見えなくなる。子どもたちはそれが成長なのかもしれないけど、大人はもう気付くことのない世界にまた戻ってしまう。怖くないですか。


いつかその日は必ず来るのだと思う。でも、その日までは子どもの世界を一緒に見ていたいと思う。今は子どもと歩くのが楽しい。