いくつになっても好きなものは好き

この前の月曜にエキパイ点検&磨きとチェーン清掃をしていたら、見知らぬおじさんから突然声をかけられた。
人見知りなので戸惑いつつも話を聞くと、どうやら遠目で見た時に自分が持っているFZ6に似ていると思ったらしく声をかけたくなったそうだ。
確かにフロントあたりが似ているちゃあ似ているなと思いそんな話をしていると、いつの間にか普通のバイク談義をしていた。人見知りなのに、初対面の知らないおじさんなのに、不思議だ。


共通で好きなものの話になると、そういう不安が一気に吹き飛ぶんだなと感じた。好きなものを一生懸命話していると、年齢差も全く気にならなかった。


このおじさんとの話が弾んだのは、ただ単に好きなバイクの話をしていただけではなく、おじさんが自分が経験した昔のバイクの話をしすつ、今のバイクの話も興味を示していてくれたところにある気がした。
ともすれば2ストがーとかキャブじゃないと面白みがーとか昔はあの峠で走り屋がーとかで、「昔はよかった、今はつまらん」という話を一方的にされることがあるけど、このおじさんは2スト時代の面白い話をしつつ、現代のFIや電子制御、ラインナップが増えてきた250ccクラスについても興味を示して真剣に話を聞いてくれた。
おじさんが昔の話をするとこっちが「へー」と聞き、こちらが今の話をするとおじさんが「へー」と聞くという、講師と生徒が入れ替わるような、でも好きの根底は一緒な会話の連続だった。


おじさんが話した中で印象的だったのが「バイクは元気なうちしか乗れないから。年取って取り回せなくなったり、乗ってもすぐに疲れて乗るのが億劫になったりしたら自然と乗らなくなるから。その前に乗っておきたいの」という言葉だった。
年を重ねてその未来が近付いているのを感じている人の言葉だけあって、基本的に笑顔で聞いていた会話の中で唯一笑顔なしで聞いてしまった言葉だった。


結局名前も近所のどこに住んでいるかもわからないまま話は終わり去って行っちゃったけど、きっとまた会ってバイク談義に花を咲かせるような気がする。徒歩だったし割と近そう。


男っていくつになっても自分の好きなことを話すと少年のようにキラキラとなるのね、なるのよね。