もうすぐ33歳になる独身女性の話。脳内でもう一人の私である「A」と話し「A」が回答をくれるから一人で生きていくことに特に焦りも感じず困ってもいない。
海外に行ったりダブルデートがあったりと、若干の動きはあったが全体的には私とAの世界が書かれている。この動きのなさは賛否両論かもしれないけど、そもそも一人でいるのがさみしい人には向かない、わからない作品だと思った。
独身貴族やおひとりさまという言葉に溺れるほどではないが、一人の時間や一人でいることが好きな人、誰かと関わって心乱されたり傷ついたりするくらいなら一人でいたいという人には心にじんわりと来るし好きな作品なはず。
最後の終わり方はあれでいいと思う。続きがありそうな終わり方だったけど、これ以上は読まずに、ここで終わるのがちょうどいいと感じた。こう感じるのも前述のタイプの人間だからかもしれないけど。
- 作者: 綿矢りさ
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2017/01/06
- メディア: 単行本
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