龍が如く、完結(ネタバレ)

大体のやりこみ要素はやって終えた龍が如く6。
ストーリーは遥が極秘に出産していたというのと父親が誰かというのがショックだった。1でまだ幼い頃から見ていた遥がこんな道を歩むのかと、最初は信じられなかった。ここはかなり賛否が分かれる部分だと思う。個人的にはこの展開は描いてほしくなかった。


舞台は広島・尾道と東京・神室町を行き来するけど、尾道はのどかな雰囲気と町並みが美しくとてもよかった。店は少ないけどそれがリアルな田舎感を出していてよかった。展望台で主観モードにしてしばらく景色を眺めてしまった。神室町は全作で舞台になっているけど、PS4パワーもあってか最高にリアルな街になっていた。


ストーリーは最終章がとにかく目を離せない展開だった。どうにもならない強さに焦りと苛立ちが募る展開。その強さが正当な強さではなく脅しや数、組織といった汚い強さなので真正面から立ち向かっても空振りになる。これが非常に悔しい。
そして段々と失われていく仲間、ボロボロになっていく桐生。それでも信念を貫き戦い続けた龍は最後を迎える。
エンディングが終わり「完」の文字が出た時に、終わったという達成感と嗚呼これで龍が如くが終わってしまったという呆然とした気持ちが残った。
最後まで見て、桐生はまるで『24』ジャック・バウアーのようだと思った。自分の大切な人のために動いているのに不幸になったり辛い思いをしたりする人が出る、そして自分はボロボロになる。ジャック・バウアーと桐生が重なったラストだった。


ストーリー以外の部分については、いくつかあれっと思う部分があった。
まずあれっと思ったのがボリュームの少なさ。マップでは今まで行けていたチャンピオン街と神室町北側に行けなくなっている。始めの頃はストーリーによるマップ制限なのかと思っていたけど、結局最後まで行けなかった。チャンピオン街のガタイのいいママの店で飲みたかったのに。
また、バトルもバトルスタイルやヒートアクションが減っていて、これでも初見の人からしたら十分な多さだと思うけど、ずっとやってきた人からしたらもっとあってほしかった。PS4のパフォーマンスであれやこれやのヒートアクションが!を期待していたのでここもまたボリュームが少ないと感じた。武器装備はなぜなくなってしまったのだろう。


プレイスポットも今回は減っている。VF5FSができるようになったのはすごく良い点だけど、ボーリング、パチンコ、パチスロ、UFOキャッチャーといった定番のゲームができなくなっている。何気にUFOキャッチャーでぬいぐるみ取るの好きだったんだけどなあ。ボリュームを増やすという点では、今後のアップデートでVF5FSのオンライン対戦ができるようにならないかな。


また、クリア後にいつもある究極闘技も今回はなくなっている。クリアしてさあプレミアムアドベンチャーと究極闘技だ!と思ったけどメニューに究極闘技が出てこない。調べたら今作はないようだ。な、なぜ?難易度が高くて後半はキーッてなるような項目が多いけど、それだけにできた時の達成感が尋常ではない究極闘技がないだなんてどうしたんだろう。


ボリュームの少なさは龍が如く最終章と謳った割にがっかりな部分だったけど、もちろん良い点もある。
まずはシームレスシステム。これは本当に素晴らしい。街の中を歩いていて店に入ったりバトルになったりするのにLOADを挟まず基本的に全てシームレス。このおかげで本当に神室町の中を自由に移動し買い物や食事をして戦っていると感じられた。快適かつ没入感があるこのシステムは大成功だと思う。


サブストーリーは数自体は従来より少なく感じたけど、内容は一つ一つ面白いものばかりだった。流行りの自動掃除機やYouTuberを取り入れたり、ご当地キャラ大活躍したりと、サブを楽しまずして龍が如くは完全に楽しめないというコンセプトが生きていた。また、0で出てきたポケサーファイターや謎の宗教組織が約30年経った6でも登場したのは感激だった。主人公の物語だけではなく、サブで出た人にも人生があり、そして同じ時を歩んできたというのが伝わってきた。


登場キャラクターも良かった!発売前はタレント枠が若干前出過ぎでは?と思っていたけど、いざやってみてストーリーを進めていくと作中でとても魅力的に描かれている。たけし、宮迫、小栗旬の3人はそれぞれの信念や生き様がしっかりと伝わってきて、作中のキャラとして感情移入できた。たけしやっぱりすげええ。
その半面、今までのシリーズで魅力的に現れ活躍してきた真島、冴島の扱いがあまりにも少なかったのは龍が如く最終章としては寂しかった。最終章なんだからこの2人もメインストーリーにガンガン絡んで大暴れしてほしかった。


そんなこんなで龍が如く完結。一つの作品としては十分面白いと思うけど、見参や維新、OTEといった外伝も含め0から6までやってきたファンとしてはもっと最終章として華やかにしてほしかったなあ。今までの主要人物で生きている人は総登場とか、過去の因縁や事件、組と組のぶつかり合いが回収不能なほど出てくるとか。あとは従来のように1ヶ月2ヶ月かかるようなサブと遊びのやりこみ要素、ボリュームがあれば。いや、十分面白いんだけどね。