トラブルスタート

現実逃避だイタリアだ、ということで海外旅行へ。金曜の昼に成田空港を出発。
直行便なのでひたすら座り、ひたすら飲んでひたすら機内食食べて寝るだけだなーと思い、まさにその通りに過ごしていたのだけれど、半分以上過ぎてからトラブル発生。


急に飛行機内がガタガタと異音出しながら揺れるようになり、気流悪いところ通っているのかなーと最初は思っていたけれど、いつまで経ってもそれが止まない。
やがて機内アナウンスが流れ、「ただ今気流の悪いところを通過中です。ベルトをしっかり締め……」とでも入るかなと思ったらまさかのアナウンス。
「現在、左のエンジンが故障していることが確認されました」
え、えーっ!大学の授業でエンジン一発死んでも他が動けば大丈夫だと習ったので、理論上はまだ安全だとは理解しているんだけれど、実際にこの異音と揺れを聞いて感じていると理論を吹っ飛ばす恐怖が全身を包んでくる。


若干手に汗をかきながら、どのくらいの故障なのか、この後どうなるのかと思ってアナウンスを聞いていると「ウィーンに着陸を考えている」とのこと。じゃ、大丈夫かなと思ったけれど機内モニターではウィーンは遥か先。おいおい……
機内の他のお客さんもざわつく中、途中で降りるわけにもいかないのでじっと続報を待つ。


その後「やっぱり大丈夫でした。予定通り行きます」と聞いて少し安心したけれど、故障したまま進むの本当に大丈夫かいな、と疑問を抱いていたら約1時間後に「ごめん、やっぱりミュンヘンに降りるわ」とアナウンス。やっぱりダメだったか。


急遽ミュンヘン国際空港に降りて、でもドイツ入国予定ではないのでガランとした空間に全員入れられ待ちぼうけ。墜落せずに無事に着陸できたのはいいけれど、この先どうなるの状態で疲労が溜まる。
4時間後ようやくローマへの便に乗れるようになり出発したけれど、もうだいぶ遅い時間。
結局当初予定のホテルに着いたのは7時間遅れの深夜2時過ぎ。添乗員さんから説明を聞きルームキーもらって部屋に入ったのが3時という過酷すぎる初日だった。
こんなに大変なことがあったのに妻は飛行機内では熟睡。最初のエンジン故障の話をした時も「そう」の一言で再び就寝。ミュンヘンで待ちぼうけの時も「事前にホテルまでの移動で食べようとおにぎり買っておいてよかったね」と元気モリモリにもぐもぐ。つ、つええ。後でエンジン故障怖くなかったかと聞くと「全部壊れたわけじゃないから飛ぶかなーと思って」とあっけらかんとしていた。とはいえ前日までお互い仕事で準備もギリギリの中移動だったので疲労は確実に溜まっている。部屋に入ったら二人ともバタンキュー。


そんな大変な旅行初日を経て2日目開始。前の日どんなことがあろうとツアー予定はあるので出ないといけない。睡眠時間は3時間未満。
参加者全員眠い表情の中8:30に出発。
朝からローマ市内観光。バス移動中はみんな眠そうだったけれど、「いかにもローマ!」な景色が見え始めるとみんな元気になった。イタリアらしい建物、自然、空気に早くも圧倒される。


サンピエトロ寺院見学、コロッセオ外側見学、トレビの泉で自由行動、その後スペイン広場、ベネチア広場、サンタンジェロ城バチカン美術館、システィーナ礼拝堂と怒涛の観光ラッシュ。石畳の道を歩き、石造りの建物を眺めそして入り、古代の文化をたくさん目に入れることができてと眠気が吹っ飛ぶ観光ラッシュだった。昨日のイレギュラーなドイツ、今日のイタリア、さらにバチカン市国で早くも3ヶ国経験(実際はイタリアツアー)。
システィーナ礼拝堂最後の審判はもう飲み込まれるような素晴らしさだった。一日中あの空間で眺めても本当にいいくらい引きこまれた。


夕方からは自由行動だったのでフォロ・ロマーノコロッセオの中を観光した。特にコロッセオは外観だけじゃなく中も見てみたいと思っていたので、今日一番ワクワクした。本当に遥か昔の時代ここで決闘が行われてローマの人々が熱狂していたのか。
結局20時近くまでローマを満喫して本日の観光終了。こっちは21時過ぎくらいまで日が暮れず昼の姿のままなので、20時とかまで自由行動していても危なさを感じないのが良い。
ホテルに戻り石畳を歩いて疲れた足を労り就寝。