『仙台ぐらし』を読んだ

2005年から2015年にかけての伊坂幸太郎の仙台での暮らし。エッセイ風フィクションにしようと思ったけれど実際はほぼ本当の出来事ばかりというから面白い。作者も言うとおり狭い範囲でしか行動していないのにこんなにフィクションのようなことが起こるなんて。
2015年までの仙台ぐらしなので、2011年の震災についても触れられている。ただし、震災と無理矢理絡めたくないという本人と編集者の思いから、震災について強調されることはない。ただ、「ブックモビール」という作品が震災に関連している。心が折れたと正直な心境を吐露しつつ、やっぱり楽しい話を書きたいという意思表示を感じた。

仙台ぐらし (集英社文庫)

仙台ぐらし (集英社文庫)