希望の苗を植えていこうよ

昨年の年越しライブの一部内容について事務所と桑田さんが謝罪した。
当日ライブビューイングで見ていたけど、特に誰かをバカにしたパフォーマンスだとは思わず、いつもどおりの桑田さんの嬉しさをちゃかして表現する照れ隠しなんだなあと見ていた。
いただいたものを雑に扱ってしまったことについてはご指摘のとおりなので、謝罪する内容ではあるかなと思った。照れ隠しの悪ふざけがちょっといきすぎたのだと思う。
ただ、一部の人が騒いでいる他の演出についても説明し謝罪しないというのは、なんだか怖い力だなと思った。
桑田さんは良くも悪くもノンポリだと思うし、右だの左だのなんてのもない人。付け髭はいつものライブのパフォーマンスの一個で、意味なんてないこと明白。当日紅白のテレビで見た人もあれで「ヒトラーに扮して安倍総理批判している!」なんて普通は思わないと思う。付け髭が思想だと思われたら、今後はライブ定番のハゲヅラでも「薄毛批判だ!」となるのか。いや、坊主憎けりゃ袈裟までな感じだと本当にそうなりそうで怖い。
さらに映像演出のデモなどのニュース映像についても「特定の団体や思想等に賛同、反対、あるいは貶めるなどといった意図は全くございません」と説明しないといけないのが個人的にはちょっと怖いなあと思った。サザンも桑田さんも今までそんな発言も行動もしていないのに、こういう説明しないと「反日だ!」「売国奴!」と騒ぐ人がいる今の世の中が怖い。ライブ見ていたら全くそんなことは感じない。「ピースとハイライト」初めて聞いてから特にそんな思想は感じず、単純に平和になればいいなあと思った程度。自分が勉強不足のバカなのかな。うーん、「ピースとハイライト」より前の「ニッポンのヒール」とか「政治家」「汚れた台所」、ソロだと「いいひと」の時に「政権批判だ!」という騒ぎはなかったと思うけど、どうして今回はそうなっちゃうんだろう。「希望の苗を植えていこうよ」というサビの歌詞は素直にそうだな、と思うんだけどな。
右だの左だの、意図しなくても誰かが大きな声で右だ左だと誘導しやすい世の中なのかな、と思った。ネットが普及する前は右だ左だって話はほとんど聞かなかったなあと久しぶりに昔を思い出した。
今回の騒動の箇所だけじゃなく、ライブの紫綬褒章披露後の感謝の歌や言葉もあったのにそこはなかったことになっているのが残念。反日だと騒がれているけど、ラジオの生歌やひとり紅白歌合戦で日本の歌謡曲の素晴らしさについて何度も歌い、先人がいかに偉大な功績を残してきたかを語っているから、ずっと聞いていたファンとしては全くそういうのは感じない。ちゃんと自分で見て考えないと省略されたり誘導されたりした話に考えが持って行かれちゃうのではないかと今回思った。自分も報道鵜呑みにして芸能人だとか政治家の印象を勝手に決めちゃっているから反省しないとなと思った。


紫綬褒章を雑に扱ったことに対しては謝るべきだなと思った。ただ、今の世の中一回叩くと叩き続ける風潮があるのはなんか怖い。謝っても責める、謝るくらいならやるなと言う終わらない動き。一度間違ったら二度と許してもらえないのが今なのかなと思った。
以前と変わらない下ネタ有りのラジオをやってもこれからは揚げ足取られちゃうのかな、全国各地のライブ会場で団体がデモ演説するのかな、と思ったら(実際にはそういうことないかもしれないけど)、なんだか落ち込んでしまう。
でも、子どもの頃に初めて虜になった時から思想だの貶めなのは感じず聞いてきたし、ずっと元気もらって励まされて人生の光だったからこれからも聞き続ける。


右だの左だのということのない、おちゃらけてファンを喜ばせようと変わらず歌い続けるサザンをこれからも聞くし楽しみにしていたい。バカだから世界情勢とかに何かということはないけれど、素直に平和になればいいなあという気持ち持ち続けていたい。
希望の苗を植えていこうよ。