素敵。ナミヤの主人とその家族、そして忍び込んだ不良3人、さらに悩みを投函する人たちが入れ替わって書かれていく構成にひきこまれる。
昨年の『MUSICMANスペシャル』であった、東野圭吾の約束というか願望が書かれているのに、知っている者としては痺れた。
「黙祷はビートルズで」の来日時にテレビに「ミスター・ムーンライト」が流れていたという描写、そしてナミヤ雑貨店の相談の返信の「どうか信じていてください。今がどんなにやるせなくても、明日は今日より素晴らしいのだ、と。」にあるのは『MUSICMAN』の最後の曲、「月光の聖者達」の歌詞。読んでいてわかった瞬間痺れた。
『夜明けの街で』に続く桑田さんテイストが入っている小説だけど、そういう要素を除いても素敵な作品だった。心が温まる作品。こんな時だからこそこういうのが読みたかった。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/03/28
- メディア: 単行本
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