試合の数だけ伝説

三沢光晴〜緑の方舟2〜』で1997年6月6日日本武道館川田利明戦を観戦。
ロープを考えた攻防。大きなダメージを負った時のフォールの恐怖と場外エスケープという判断。場外エスケープを選択肢として選んだとした時の一刻の安息。だが訪れるロープに四方に囲まれた「閉塞」とも思えるリングよりも恐ろしい「自由だらけ」の場外。大ダメージを負った箇所の負傷状況の確認と回復のためにエスケープした場外が自由という狂気によって鉄柵や場外マットが凶器に変わる。3カウントのあるロープに囲まれたリング内、3カウントがないが自由に覆われた場外、この2人の攻防を見て改めてプロレスの奥深さと面白さを感じる。
技に重さがない。エルボー、ジャンピングハイキック。幾度も繰り返される「これで決着」と思わせる場面。
勝者は三沢光晴。当時見た時も、今見た時も、どちらが勝つか全く予想できない試合だった。
試合後のスパルタンX。勝ち誇るわけでもなく強さをアピールするわけでもなくただ静かにリングを降りる王者・三沢光晴。泥臭いスーパースター。だから好きなスーパースター。
そして23時からの『やさしい夜遊び』。いつものようにラジオをセッティングしていつものようにラジオを聞く。もう一人の僕のスーパースターの声を聞く。

三沢光晴 DVD-BOX ~緑の方舟2~

三沢光晴 DVD-BOX ~緑の方舟2~