『憂鬱たち』を読んだ

鬱な「私」と「ウツイ君」と「カイズさん」がそれぞれの話で違う職業・設定を持つ短編集。
頭の中から言葉が流れ出てきたような、一文が長いにもかかわらず非常にテンポよい文章は相変わらず良い。下な部分も相変わらず。
しかし、それだけ、といえばそれだけ。『AMEBIC』のような新鮮さと中毒性が感じられず、下品で精神が崩壊しただけに読めてしまう。作品に広がりが見えてこない。あの書き殴りのような脳内溢れ文章もこれでは本当にただの書き殴りになってしまう。このような内容の作風が続くならもうこれから先新作を読むことはないような気がする。

憂鬱たち

憂鬱たち