『ララピポ』を読んだ

どーしよもないといえばどーしよもない6人の、どーしよもないといえばどーしよもないお話。
テンポのよい書き方で、あっという間に読めた。読んでいるときは笑えて笑えて、でも時々「世の中には成功体験のない人間がいる。何かを達成したこともなければ、人から羨まれたこともない。才能はなく、容姿には恵まれず、自慢できることは何もない。それでも、人生は続く。この不公平に、みんなはどうやって耐えているのだろう。」といったドキッとする言葉がありふと現実に戻る。
6つの話全て無茶苦茶な展開で面白いのだが、読了後よく考えると現実でありえない話ではないと思い、ぞっとした。最後に題名のララピポの意味を知り、そして登場人物たちのような生活がこの現実であるのではないかと人混みの中で考えると恐ろしくなってくる。
笑えて、考えさせられる作品。

ララピポ (幻冬舎文庫)

ララピポ (幻冬舎文庫)