『ルー=ガルー ― 忌避すべき狼』を読んだ

近未来という今までの京極作品にはなかった設定。四六判変形でサイズは大きく、設定は変わっていても753ページと相変わらずの分厚さ。
しかし内容といえば全体的に物足りなかった。近未来という設定である活かされておらず、京極作品にある「おおっ」という驚きや、心に静かに伝わる感動がなく、冗長さとテンポの悪さ、中盤を過ぎても増していかないスピード感などが目立って残念だった。序盤に示した話の数々が終盤で驚きになる場面もそれまでの十分といえる長さで予想できる、と、いうよりもうそれしかないという状態になってしまい、後半のほうが読んでいて辛かった。

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼

ルー=ガルー ― 忌避すべき狼