『マドンナ』を読んだ

オジサンサラリーマンの短編が5編。どれもシチュエーションは違うがどの話にも共感してしまう部分がある。元気が出たり笑顔になれたり、普段あまり話さない人は実はこの作品の中のこの人のようなキャラなのかな、と思ったりする小説。表題作の終盤の「午前一時過ぎまで飲んだ。別れしな、無言で山口の肩をたたいた。山口は赤い目でうなずくと、タクシーで帰っていった。」というのが一番よかった部分だった。今までの二人の関係と出来事を読んで最後にこうなると胸にぐっとくる。
みんな頑張っているんだよ、と思った。

マドンナ (講談社文庫)

マドンナ (講談社文庫)