『セカンド・ライン』を読んだ

エッセイ百連発!と書いてあるとおり重松清の1991〜2001年にかけての100の原稿が載っている。
新聞や雑誌の連載記事だったりあとがきだったり他作家の解説だったりと、いろいろな話が100本ギュッと詰まっている。2001年付近の原稿が多いので、世紀末や十代の犯罪・17歳といったことや直木賞受賞のことについての話がやや多い。もちろんその他の話もいっぱいある。世の中の出来事について書いている記事もあれば、高校野球甲子園での乱闘騒ぎを期待したり、むちゃくちゃなことばかりしていた学生時代を思い返していたりと、重松清自身について書いてあるものもある。軽く読める話もあれば非常に考えさせられる話もある。そうだよなあ、と共感したり、あ、こういう考え方があるのか、と刺激を受けたり、へーこんなこともしていたんだと新しい重松像が見えたりと重松清ファンとしては非常に楽しめた。ファンじゃない人が読んでもこの作家の考え方から学ぶことは多いと思う。
作品解説もとてもうまく、読んでいてヒルトン『チップス先生さようなら』、野島伸司『この世の果て』、藤原新也『東京漂流』はぜひ読みたいと思った。
この本を読むと改めて重松清フリーライターなんだと思う。

セカンド・ライン―エッセイ百連発!

セカンド・ライン―エッセイ百連発!