さようならゴング

昨日買ったけど読む時間がなく今日じっくりと読んだ。
表紙には「長らくのご愛読、本当にありがとうございました」、表紙をめくると「一時休刊正式決定」の文字。
中にはレスラーのゴングへの惜別のメッセージ集。様々なレスラーがゴングへの思いを語っている。正直長州の「でも反対にチャンスじゃないか。全くいまと違ったものを作れば。こんなの逆手に取ればいいんですよ。Tシャツの洗い方ですよ。いまのプロレス週刊誌のTシャツには飽きている部分もあると思うから。別のものを着てみないと。このシャツ面白いなと思えばそれを着ればいいんだし。反対に発想の問題だよ。」という部分が全く理解できなかった。「Tシャツの洗い方」って?例えがムチャクチャすぎる。せめてTシャツの着方ならなんとなくわかるけど。まあ最後までゴングと長州の関係はあったってことか。
名物コーナー「三者三様」も最後のスペシャル版。菊池さんや竹内さんといった重鎮が辛口で毎回マット界を語っていたこのコーナーは大好きだった。
通常通りの試合レポートに加え、最後ということで「WE LOVE GONG」、編集後記で一時休刊のお知らせが入っている。これらを読むと本当に終わってしまうと実感させられる。
最後のページはなんだろうと思っていたら河口仁のマンガだった。これも名物だった。
中学生の頃から読み始めた週刊ゴング。あの頃はネットなんかなく、地方巡業の観戦か雑誌か地上波放送の新日・全日が全てだった。今ではもちろんネットだけれど、スポーツ新聞購読していないあの頃は雑誌が最速かつ最も充実していた情報源だった。実家がいわゆる地方だったので発売日は東京より一日遅れていたけれど、それでもかまわなかった。発売日が待ち遠しかった。
高校に入ってからは発売日の朝に通学途中にあるローソンでゴングを買って学校で読んでいた。興味のない授業を聞くよりゴングの記事を読んでいるほうがずっと楽しかった。
nWoブームの頃は本屋に行っても売り切れていることがあった。東京ドームや日本武道館などスーパービッグマッチがあった時は通常よりも早い増刊号が発売されて夢中で買いに行った。
テレビで放送しない国内団体の情報も楽しみだったし、海外の団体の情報も楽しみだった。ルチャが好きでレイ・ミステリオJr.やシコシスなどまだ見ぬ海の向こうのレスラーたちが知りたくてしょうがなかった。連続写真で解説される想像を超える技は頭の中で勝手にパラパラ漫画のように動画っぽくしていた。それらを実際に映像で見たときは鳥肌がたった。
とにかくいろんな思い出があったゴング。学生時代を一緒に過ごしたゴング。一緒に卒業することになるとは夢にも思わなかった。一時休刊と書いてあるけれど限りなく廃刊に近いだろう。
ありがとうゴング。本当にありがとう。さようならゴング。