生きているだけで100点

昨日の夜鍋をつついているときについついテーブルに肘をついていた。「やべ」と思いすぐ肘を離した。「やべ」の次には「怒られる」という思いがあった。
子供の頃はテーブルに肘をつくとすぐに「行儀が悪い」と怒られた。たとえ僅かな時間でもつくたびに言われていたので、テーブルに肘をつく=悪と子供心にガッチリと掘り込まれたので、今でも反射的に離してしまう。
昨日肘をつき「やべ」と思い離したときは何も言われなかった。気付かれなかったのか、もういい歳だから言わないのか。
なんだかちょっとさびしかった。怒られなくてさびしいというのもおかしな考えだけど、昔のままで扱ってほしいかなと思った。
怒られたい欲求がある。かまってほしい、ちょしてほしい欲求がある。結局まだまだガキなんだろうなと思う。完全に離れることはできないと思うし、そうはしたくない。
こういうときに気付く。近くなったときに気付く。忘れちゃいけないことがある。大切なものは昔からずっと近くになる。
親父はいつも「わりことすなや」と言う。おふくろはいつも「しっかりご飯食べてよく寝なさいよ」と言う。勉強をしろだとか偉くなれだとかこうこうこうしろとは言わない。悪いことをせず、健康に気をつけろ。当たり前のことを言う。
でもそれが一番大切だと思う。普通に生活する、体を壊さず過ごす。基本的だけどこれができなければ支障をきたす。非常に大切だ。
生きているだけで100点。こう考えられる精神状態を常に持っていられたらどんなことがあってもなんとかなると思う。
健康で普通に生活する。これだけで100点。その他に何かあったら120点、130点。ダメなことがあってもいきなりマイナスにはならない。
わずか18時間足らずの滞在だったけど、目まぐるしく動く日々で忘れかけていることを教えてくれた。
テーブルに肘をついたことは何も言われなかったけど、食べたいものどんどん口の中につっこんでいたら「ほいどぐいすなや」と注意された。怒られた。まだまだガキです。