『四十回のまばたき』を読んだ

交通事故で亡くなった妻と売れない翻訳家のぼく。冬になると本当に冬眠する妻の妹、本国じゃなく日本で突然出版した”セイウチ”。
妻には秘密、妻の妹には奇行がある。さらに”セイウチ”にも実は秘密がある。変わらないのはぼくだけに見えるけど、それらの人に囲まれ確実にぼくも変わっていっている。
重松清は大好きだけどこの作品はどうも好きになれなかった。好きだとか嫌いだとかいうよりもわからなかった。届かなかった。
何が言いたいのかがよくわからないまま唐突に終わった感じがした。テーマを明確にしなくても面白いと思える作品はあるけど、この作品は全てがまとまらずどこにも収斂せず終わっているので響いてこなかった。
三作目にあたる『四十回のまばたき』だけど、デビュー作の『ビフォア・ラン』より固くぎこちない印象を受けた。

四十回のまばたき (幻冬舎文庫)

四十回のまばたき (幻冬舎文庫)