『風味絶佳』を読んだ

サザンの桑田さんが前にラジオで「『その日のまえに』と『風味絶佳』が最近読んだ中でよかった」と言っていた。『その日のまえに』は既に読んでいたので、では『風味絶佳』はどうかと思い購入。
とても綺麗で丁寧な文体。表現もうまい。肝である恋愛の部分はとても強い。表面的な強さも内面的な強さもあり、ちょっと受け付けないところもあった。
『間食』『夕餉』『アトリエ』は眩しすぎるというか強すぎる感じがあってなかなかとらえづらかった。特に『間食』と『夕餉』はスタートの2作だったので、「ん?ついていけるかな?」と思っていたけど、続く『風味絶佳』で一変。素敵すぎる。いい意味で眩しすぎる。とにかく恋愛に対してのベクトルがすごいので、ひきつけられる作品にはものすごくひきつけられる。虜になる。『海の家』、『春眠』もよかった。
6篇の中では『春眠』が一番よかった。初めは章造と同じ気持ちで苛立ちを覚えながら読んでいたが最後には納得。全てがとても綺麗な光景に見えた。
非常に美しい作品だった。
ままならない。

風味絶佳

風味絶佳