『こうばしい日々』を読んだ

表題作と『綿菓子』の二作が入っているが、『綿菓子』のほうが好きだった。主人公の1年の微妙な成長と気持ちの変化も見事に表現できていてびっくりした。主人公の気持ち以外にも、おじいちゃん・おばあちゃん・絹子おばあちゃんの関係もよかった。
二作とも読み終わると暖かい気持ちになる。丁寧でしっかりとした書き方に魅了された。
去年読んだ『間宮兄弟』、『思いわずらうことなく愉しく生きよ』、先日見た映画『東京タワー』、そして『号泣〜』と今作品で完全に江國香織ファンになった。いい。
江國作品はまだ上記のみだが、今のところ『間宮兄弟』が一番好きだ。間宮兄弟と同性であるということと、兄弟の行動・考え方の情けなさ・ダメっぷりに共感が持てたからだと思う。遅ればせながら江國香織の虜。

こうばしい日々 (新潮文庫)

こうばしい日々 (新潮文庫)