痛快。上原一家が固い頭にガーンと衝撃を与えてくれる。上巻が東京で下巻が沖縄になっている。上巻ではまだ世間一般でいう「常識人」の二郎や桃子、それに姉が下巻で西表島での生活が始まると世間一般でいう「おかしな」ことになる。東京から沖縄に行くまでの展開が丁寧かつ非常に面白く書かれていて、ドキドキしながら読み進めることができた。
はちゃめちゃながらも信念を曲げない父一郎の姿から小学六年生の二郎がこの話の中で学んだ数多くのことは、読む側にとっても学ぶべきことだと思う。一郎が曲げなかったことは、現代の人にとってはなかなか知ってはいても貫くことはできないことだと思う。
沖縄に行ってからの話が東京での話より若干パワーダウンしてしまったのがちょっと残念だったが、最後のアカハチでの終わり方がよく、壮大かつ爽やかな物語を楽しめた。
- 作者: 奥田英朗
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