♪偽善ラーメンど〜んぶり

闘凶に来て初めて道案内をした。帰り道でおばあさんがうろうろとして道行く人に声をかけていて、すれ違うときに私が行く駅と同じ路線の名前を言っていたので振り返り声をかけた。
が、おばあさん見事に無視。目も合わせてくれない。よく考えれば確かにそうだ。夜遅くにまともではなさそうな人に声をかけられる、自分が逆の立場だったら同じことをしたと思う。それでもほっとけないので自分も同じ路線だから一緒に行きましょうということを伝えようやく警戒心を解かれる。どうやらおばあさんいつもと違う方向から駅に向かっていたらしく、方向が違うと全然わからないと言っていた。う〜ん、方向音痴日本代表候補としておばあさんとは状況は違うけれどその気持ちはよくわかる。
おばあさんと一緒に駅まで向かっていると普段は気付かないことに気付く。話しかけても耳が遠くて普通の声では伝わらない。大きな声でゆっくりしっかりと言わないといけないんだなと気付いた。さらにおばあさんの横で一緒に歩いていてもいつの間にか自分が先を行ってしまう。自分にとっての普通の歩行速度が相手にとっては早歩きになる。自分にとっての普通が相手にとっては普通ではないことを知った。
そんなこんなでおばあさんと歩いていて、駅近くになるとおばあさんが「あーここだ」と言って急に表情が明るくなった。どうやら自分がいつも見るおばあさんにとっての「駅」が目の前に現れたらしい。と、同時にこのちゃらんぽらんは本当に自分を駅まで連れて行ってくれているのだろうかという不安もなくなったっぽい。
おばあさんにありがとうを言われてお別れ。帰宅したらチキンラーメン。偽善の後はチキンラーメン。一週間自分お疲れということでチキンラーメン&豪華に卵×2。久しぶりにチキンラーメンを食べたらうますぎて驚いた。チキンラーメン連発はありがたみがなくなるのと金銭感覚がおかしくなるということを最近抑えていた。久しぶりに食べるとうまいなあ。チキンラーメンを食べることやチキンラーメンに卵を入れるのが普通になったらおしまいだなと思った。
「普通」ということの不安定さと危うさを感じた一日だった。