『七つの黒い夢』を読んだ

七人の作家による、ホラーとはまた一つ違う、現実の世界の中にある違和感と錯覚を収めた短編集。
この小説を読んで、改めて短編の難しさを感じた。数十ページという枚数の中で面白さと完結性を持たせるのは非常に難しいんだなと思った。不完全燃焼のまま読み終わってしまった作品がいくつかあり、短編は長編以上に難しいと言われているのもよくわかる。
その中でも乙一の『この子の絵は未完成』と西澤保彦の『桟敷がたり』はよかった。特に『桟敷がたり』は日常生活に潜む恐怖が現実と虚構の区別がつかないような絶妙な世界観で描かれている。


七つの黒い夢 (新潮文庫)

七つの黒い夢 (新潮文庫)