大型スーパーで重大死傷事故が発生するも事故原因が特定できない。
題名どおり質問と答えだけで話が進む。
○○○○○○
「△△△△△△」
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・
といった形式。
いろいろな人のQ&Aを聞いているうちに事故の全容・原因がわかってくるような気がするけど、その謎がわかりそうでわからない、「先が知りたい」と思わせる作りでよかった。最後のほうで原因らしきものは語られるものの、果たしてそれが真実なのかはっきりとはしない。
最大の謎である事故原因以外に現代社会の汚さ・膿も描かれている。こっちもまたとても興味深く書かれていて、メインの事故原因以外にも話を引っ張る要素があった。それが微妙にラストに絡むあたりもいい。
現代社会の問題をリアルに描きつつ、詐欺・携帯・情報・・・などといろいろなことを面白い視点で捉えている恩田陸はすごいな、と思った。小説の世界ならではの有り得ない世界なんだけど、最後まで読むと紙のむこうのこっちの世界であってもおかしくないと思ってしまう。そう考えると現代は本当に現実と虚構がギリギリにあるのだと思う。
最後もうちょっとドカンと衝撃がきてほしかった。でも面白かった。
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/06/11
- メディア: 単行本
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