『それから』を読んだ

30を過ぎて定職を持たない代助と親友平岡、そしてその妻三千代の話。
あれやこれやと思いに耽る代助の、今でいうニートのような生活に最初は自由さを感じるが、途中から息苦しさに変わってくる。三千代への思いが代助の中ではっきりし、思いを告げるところからの展開の早さは、それまでがゆったりとしていたこともあり驚く。
そして最後の代助の思考と行動は狂気としか思えない。終盤の展開と代助、三千代の関係、平岡との絶交、そして狂気のラスト……全ての「それから」が非常に気になったまま終わりを迎えた。読み終わって初めて「それから」というタイトルの意味が染みこんでくる。

それから (新潮文庫)

それから (新潮文庫)