『屍人荘の殺人』を読んだ

ハードカバーで発売された時から気になっていて、文庫化されて遂に手を出してみた。おお、これが最新の本格ミステリか。


孤島や異常気象によるクローズド・サークルの設定は大体書き尽くされ、携帯はみんな持っているのが当たり前の現代だと閉ざされた空間も密室も作るのが困難な中、こんな風に作ったのかと正直そこに驚いた。
その設定とそこから始まる信じられない殺人事件に、もはやこりゃなんだ?本当に人間の仕業?どういうこと?と物語の展開と共に読んでいる側の混乱も加速していく。


奇想天外すぎる展開に一発狙いかと思いきや、トリックはしっかりとしていて納得させられる。偶然起きたクローズド・サークルの設定と動機の異様さが事件を難解にさせている。
なかなかのインパクトがあった作品だった。


屍人荘の殺人 (創元推理文庫)

屍人荘の殺人 (創元推理文庫)