肩寄せ合い声合わせて

サザンファンクラブ会報の代官山通信を読んで、「桑田さんの新曲『若い広場』は去年の歌謡曲特番で感性が刺激されて、今回のNHK朝ドラ主題歌のオファーに合わせて作ったのかな?」という最近の疑問が解消された。


答えは全く逆だった。去年の昭和歌謡曲特番の「偉大なる歌謡曲に感謝〜東京の唄〜」の準備をしていた時に「歌謡曲をやりたいな」と思っていた時期が重なり、そこで作ったらしい。そのため、1年前には『若い広場』はほぼできていた。
朝ドラ用に作ったというよりは、歌謡曲作りたいモードの時に作って、それが結果昭和が舞台の朝ドラに合ったということか。


それにしてもこの『若い広場』、いい。最初に聞く前は去年の『ヨシ子さん』『君への手紙』の流れを汲んだ現代音楽を取り入れた感じになるかなと思ったら、まさかの歌謡曲テイスト。しかもど真ん中。
最初は驚きがあったけど、桑田さんのラジオ番組でフルで流れるのを聴く度にその昭和ムードと優しいメロディ、良き時代の詞の世界に取り込まれ、聴くだけでふわっとした優しい気持ちになれる。
お風呂に入っている時、皿洗いをしている時、ついついイントロの♪ポン ポン パーン、ポン ポン パーン……と口ずさむんでしまう。一人で口ずさむだけじゃなく、みんなで合唱もしたくなる。


進歩、進歩でどんどん進んでいく現代だからか、この思いっきり逆に振った『若い広場』が心に沁みる。疲れた時により優しく聴こえるし聴きたくなるけど、元気な時にも笑顔で大きな声で歌いたい。
みんなが優しい世界が朝ドラの中だけなんて悲しいじゃない。