『蛭子能収のゆるゆる人生相談』を読んだ

Q.仕事が嫌になり会社を辞めたい
A.じゃあ、仕事を辞めて競艇場に行けばいいんじゃないですか


Q.子どもたちの野菜嫌いを克服しようと苦労しています。どうすればいいですか?
A.子どもに嫌いなモノを食べさせるなど、親として失格です


Q.嫁姑問題で困っている
A.どうせ先に死ぬんだからと諦める。小言を言われても「あーすみませんね、お義母さん……もうすぐ死んじゃうけど」と適当に流せるんじゃないですか


Q.蛭子さん出身の長崎のおすすめスポット
A.大村競艇場がいいですね。長崎空港から車で15分くらいと近いので、真っ先に行くべきですね


……と、とても人生相談の回答とは思えないものばかり。さらには「熱湯風呂はお金のためと割り切っていた」「孫をかわいいとあまり思わない。名前も覚えられない」と好き放題言っている。そんな蛭子さんのゆるい人生相談の本。帯にあるとおり、きれいごと、ゼロ。
これらの人生相談もすごいけど、特別収録されている22年前の人生相談はさらにすごい、というか、ひどい。無茶苦茶すぎる。蛭子能収サイコパス説を裏付けるものになっている。


それでも「ギャンブルはトータルでは誰もが負けている」「借金してまでギャンブルはするものではない」「遺伝子なんて関係ない」など、シビアに鋭く世界を見つめて回答しているものもあるから単なる笑いの本ではない。全ての回答は、蛭子さんの根底にある「自由に楽しく生きたい」という思いから出てきているもの。
蛭子さんは小さい頃から考えが変わっていない、そしてその思いを叶えて今もずっとその主義を通している。そう考えると偉大な人に思える。そう思ってもう一度読み返してみると……やっぱりダメ人間だな。


蛭子能収のゆるゆる人生相談

蛭子能収のゆるゆる人生相談