『アイネクライネナハトムジーク』を読んだ

「アイネクライネ」「ライトヘビー」「ドクメンタ」「ルックスライク」「メイクアップ」「ナハトムジーク」の6つの短編。
どれも独立したようで少しだけ他の話と繋がっている。そしてその繋がりが最後の「ナハトムジーク」で綺麗にまとまる。伏線とその回収がうまい伊坂幸太郎だけど、今回もその素晴らしさにやられた。伏線が全て繋がった時、思わず涙が出た。具体的にはラウンドボーイの場面。まさかこういう風に繋がるなんて、と驚きと熱さの両方で体が震えた。
ボクサー以外は登場人物はどれも普通の、どこにでもいるような人たち。でもその人達が起こすほんの、ほんのちょっとの小さな奇跡。その小さな奇跡が美しいし微笑ましい。


とにかく面白かった!こういう読書体験ができて本当に良かったと思えた一冊。これだから読書はやめられない。