面白かった。毎年読んでいる週刊文春ミステリーベスト10、このミスで1位になった作品なので、読む前から勝手にハードルを上げていた。それでも面白かった。
久しぶりにこれだけのスケールの作品を読んだ。ネタバレできるだけ避けるけれど、とにかく590ページの厚さを一気に読みたくなる面白さ。
タイトルのとおり虐殺の場面が多く、また作戦遂行側も創薬側も頻繁に命の危険に晒される。それなのに「希望」は常に輝いている。希望と絶望の狭間で戦う姿に胸を打たれる一方、国のトップの狂気が数億人の命を失う方向に向かわせる描写は、とてもフィクションとは思えない恐ろしさを感じた。
個人的に抱いているミステリーの括りとは違うけれど、純粋に面白い作品。日本、アフリカ、アメリカを跨ぐ壮大なストーリーに圧倒された。
- 作者: 高野和明
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/03/30
- メディア: 単行本
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