新日本11・13大阪ドーム

先日の両国は10・9で地に落ちたIWGP、新日本の価値を少しは高めた感じがするが、これを約1週間後に迫った大阪ドームでどうつなげられるかだ。はっきりいってカードにそれほどインパクトはないし、唐突なものが多い。これで超満員は正直厳しい。しかし個人的に1つだけ気になるカードがある。
「西村・永田vs長州・蝶野」
このカードがドームのマニアックメインのような気がする。長州に徹底的にプロレス観を否定された西村の「長州憎し」を存分に出してほしい。西村vs長州のシングルならもっとよかったのに。積年の恨みをぶつけられるのか、見ものだ。長州もそれに対し自分がど真ん中というなら徹底的に自分の哲学を西村にぶつけてほしい。
西村を初めて見た時は「地味だな」という印象。試合前半のグラウンドの攻防が私は好きで結構見入ってしまうが、前の西村の場合それが延々と続く。当時は長州政権のせいでそういう試合は逆に目立った。
癌から復帰し長州がいなくなった後の西村の試合は私を強くひきつけた。自分のプロレス哲学を伸び伸びと表現し、グラウンドの攻防から倒立、ドリーを崇拝する姿勢とスタイルと、一気に輝いた。逆さ押さえ込みは芸術だ。毎年G1ではいつも西村が気になる。昔は「無我」の意味がよくわからなかったが、今はよくわかり伝わってくる。西村からは「人間らしさ」「ドラマ」「生き様」を感じる。これがなければプロレスだろうがなんだろうが面白くない。自分のこれまでの過程をリングの上で表現し輝いている。今回は「怒りと恨み」だ。世間一般にはなかなか面と面を向かって表現できないこの感情。それを堂々とリングの上で目を合わせぶつけられる。非常に見たい。自分の全てを否定した長州に西村が何を見せ付けるのか、注目したい。