下町ロケットの続編。今度はロケットに加え医療。日本クライン、PMDA、サヤマ製作所、アジア医科大学と今回も嫌なやつが出てくる。
ロケットのバルブはコンペにかけられ受注消滅の危機、医療はナゾの発注されて量産奪われたり、設計図パクられたり、権謀術数で正当な評価をされなかったりと、今回はとにかく四面楚歌。社長の佃だけではなく、部下や関係会社の苦しみまでが詳細に描かれていて、読みながら歯を食いしばってしまう。そして読んでいて自然と応援したくなる。
そこまで苦しみ、挫折し、それでも自分たちの仕事と技術に誇りを持ち諦めず取り組む姿には胸が熱くなる。だからこそ後半の逆転劇に最高のカタルシスを感じる。特にPMDAとの最後の面談、帝国重工の会議は全身が熱くなった。やっぱりな、やっぱり真面目に正面から頑張るやつが認められるんだ、そうじゃないといけないんだ、と心のなかで拳を握りながら読み進める。
「会社は小さいが、夢はでかい。それでこそ――人生だ。自分のやりたいことさえやっていれば、人生ってのは、そんなに悪いもんじゃない。第一、オレがそうだ。」
今回も佃製作所、そしてそこで働く従業員は最高だった。
- 作者: 池井戸潤
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/11/05
- メディア: 単行本
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